徳地アドベンチャー教育プログラム

1.「徳地アドベンチャー教育プログラム(TAP)」とは?

山口徳地の自然の中で,体験学習サイクルを生かしたさまざまなグループ活動を通して,個人とグループの成長を促すプログラムです。
※このプログラムは「プロジェクトアドベンチャー(PA)」の手法を基盤にしています。

(1)目的(効果)

以下の目的を設定することができます。換言すれば,教育効果があるということです。

  • 協力 → 気持ちを合わせる,力を借りる,力を貸す
  • コミュニケーション → 思いや考えを伝える,受けとめる
  • 自信 → 成功体験,失敗から学ぶ
  • 挑戦 → チャレンジすることの喜び,自分が知らない自分の発見 等

(2)方法

  1. ①「冒険(アドベンチャー)」の持つ教育的効果を取り入れます。身体的な危機が迫ればやらざるをえない,切羽詰まった状態(非日常のドキドキ感)を活用します。
  2. ②「体験学習」といい,体験から気づくことや学ぶことを中心とします(学ぶ者の主体性)。
  3. ③指導者の役割は,「ファシリテート」といって,「気づき」を促すことです。
  4. ④他の活動プログラムの指導にも,この手法を適用することができます。
    例:登山,キャンピング,野外炊飯,オリエンテーリング等

(3)展開例

2.TAPの申込み

(1)申込みの条件

  1. ①グループ構成・・1グループ8~20人程度(男女混合で14人前後が望ましいです)。
  2. ②指導者・・本所の職員及び外部研修指導員が指導します(ファシリテーターといいます)。
  3. ③料金・・半日6,000円 1日12,000円(1グループ1名の指導者)

(2)申込み方法

  1. ①電話でお申し込みください(指導者の手配がありますので,最低一ヵ月以上前までのお申し込みにご協力ください)。
  2. ②その際,希望日・ねらい・人数・年齢構成を確認します。
  3. ③学校等の早期予約団体については,その際にお申し込みください。

(3)事前提出物

  1. ①「TAP事前打ち合わせシート」(以下,「シート」という。)にご記入し,2週間前までにご提出ください。
  2. ②「シート」はこちらからダウンロードするか,本所から送付します。

3.当日の流れ

(1)事前打ち合わせ

30分前に団体引率者とファシリテーターで打合せを行い,以下のことを確認します。

  1. ①団体がTAPを利用する目的の確認
  2. ②グループや参加者の人数確認(男女構成・クラス等)
  3. ③グループや参加者の状態確認(体調・人間関係等)
  4. ④方法や場所等の確認(晴天時・雨天時により場所等の変更あり)

(2)活動

  1. ①参加者に対して挨拶と紹介をします。
  2. ②各グループに分かれて活動を開始します。
  3. ③「アイスブレイクゲーム」というグループの緊張状態をほぐす活動をしながら,学びの環境を少しずつ築いていきます。
  4. ④グループの状態によって,目的を持ったゲームや振り返りを繰り返し,学びを深めていきます。
  5. ⑤一般的に3時間コースの場合,ローエレメントを使った展開まで進みます。
    ただし,天気やグループの状態によって,ローエレメントを使えないこともあります。
  6. ⑥振り返りを体験の後に効果的に行うことで,体験から得られた「気づき」「学び」を大切にし,一般化ができるよう支援します。
  7. ⑦体験を繰り返すことで,次のチャレンジへの意欲を高めていきます。
  8. ⑧活動終了後,各グループに同行している引率者へ引き継ぎます。

(3)引率者の役割

  1. ①各グループに必ず1名の引率者が帯同してください。
  2. ②原則として,活動の様子を見守り,参加者の発言や表情,新たな発見,変容等を意識してご覧ください(「TAP引率者記録シート」への記入をお願いしています)。
  3. ③参加者の学びの機会を失うような発言や行動はご遠慮ください。
    良くない例…「子どもの発言を待ちきれずに,アドバイス等を送る」等
  4. ④ファシリテーターが引率者に対して必要に応じて参加を呼びかけます。
  5. ④活動中体調が悪くなった参加者,けがをした参加者の対応をお願いします。

(4)留意事項

  1. ①このプログラムは,万能でも即効性があるわけでもありません。3時間や6時間の活動では全てを変えることはできません。変容を促す「きっかけづくりの場」とお考えください。
  2. ②ハイエレメントは,団体の目的やグループの状態,活動時間等によって使用するかどうかをファシリテーターが判断します。
  3. ③活動の状況によっては,夕べのつどいに参加できないことがあります。

4.「徳地アドベンチャーコース」の紹介

  1. ①「徳地アドベンチャーコース」とは,丸太やワイヤーなどで構成されている障害物コースであり,安全な状況下でアドベンチャー体験を行うことができます。グループでの問題解決や全員での意思決定,信頼感の構成に効果的です。
  2. ②「徳地アドベンチャーコース」には【ローエレメント】と【ハイエレメント】の2つのコースがあります。
    □ローエレメント・・膝ぐらいまでの高さで設定されたコース。グループの他のメンバーによってサポートされながら行う。
    □ハイエレメント・・高さ6~10mに設定されたコース。ハーネスとビレイロープでグループのメンバーに安全を確保してもらいながら行う。

コースについて詳しくはこちらをご覧ください。

5.プロジェクトアドベンチャー(PA)とは?

(1)プログラム誕生の背景

  1. ①アメリカで開発された教育方法です。
  2. ②1971年,高校の校長だったJ.ペイを中心に,教員等が開発しました。
  3. ③ペイは,イギリス海軍のプログラムを基に実施されていた,全人教育を目指した「アウトワード・バウンド・スクール」(Out ward Bound School:OBS)の教育効果に着目し,この手法を日常的な教育環境に適用できないかと考え,プログラム化しました。
  4. ④OBSとは,野外での冒険的な活動(登山やマウンテンバイクツーリング,沢登りなど)にグループでチャレンジし,課題を克服していく過程でのグループや個人に起こる葛藤や対立,協調と親和などを通して,個人の成長を図るプログラムです。
  5. ⑤ペイ等は,プログラムの開発と普及を目的に,非営利団体Project-Adventure,Incorporated(PA,Inc.)を設立しました。

(2)日本での普及

  1. ①PAに着目した林氏等が,日本でのPAプログラムの普及を目的に,PA,Inc.との共同出資により,プロジェクトアドベンチャージャパン(PAJ)を1995年に設立しました。現在,指導者講習会の開催やPAコースの設計・施工,PAプログラム体験会の開催,冒険教育に関する書籍の出版等を行っています。
  2. ②全国の青少年教育施設や野外活動センターなどにPAコースが設置されるとともに(PAJ公認37ヶ所),青少年を対象にした教育キャンプや学校教育,企業研修などにも取り入れられています。

(3)基本的な考え

1) フルバリューコントラクト(Full Value Contract)

PAプログラムでは,プログラムを始める前に簡単な約束をしてもらいます。 これをフルバリューコントラクトといいます。これは,お互いの努力を最大限に評価すると言う約束です。つまり,「自分を含めメンバーをけなしたり,軽んじたりしない」,具体的には 「お互いの心の安全と身体の安全を守る」,「自分に正直である」,「ネガティブなことにこだわらない」などがあげられます。

2) チャレンジバイチョイス(Challenge By Choice)

PAプログラムには強制はありません。挑戦への選択の自由が常に保証されています。個人の挑戦レベルとその方法は,自分自身が決定します。また,自分が挑戦を選択しなかった場合でも,グループから外れるのではなく,グループの仲間にどのような方法で協力できるかを考えることも選択のひとつになります。

3) ビーイング(Being)

  1. ①グループの目標や規範を話し合いながら共有化図り,フルバリューをつくます。書いた事を意識化し,付加修正を繰り返していきます。自分の名前をサインすることは,書いた内容に対して契約を(責任を持つ)というこを意味します。
  2. ②目標や規範を絵や図に表し,意識化を図ります。

(4)プログラムの流れ

ブリーフィング:B
活動の前に必要なことを説明します。
体 験
ディブリーフング: DB
活動をふりかえます。活動でどんなことが起っていたか,それはどんな意味を持つかなどを考え,話し合う活動です。

(5)活動の内容

アイスブレク:IB
笑いが起こるような活動で緊張感を解きほぐし,リラックスした雰囲気を生み出すともに,指導者グループ成員,またグループ間のゆるやかな人間関係をつくります。
ディ・インヒビタザ:DI
少し恥ずかしさを感じるような活動を行い,間違いが許される・気にしない雰囲気,グループへの安心感をつくります。
コミュニケーション:CO
協力しあう活動を行い,人間関係深めます。
イニシアチブ:IN
グループで課題を解決する活動です。 1つの活動ごとに「体験学習サイクル」を用います。課題を解決する過程での気づきを一般化・概念化し,次の活動につなげます。「エレメント」と呼ぶ特別なコースも用います。
トラスト:TR
互いの信頼感を深める活動を行います。

(6)体験学習サイクル

引用:「プロジェクトアドベンチャージャパン」サイト http://www.pajapan.com/